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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
「そなた、鬼なのか?」
「……世間では、そう言っております」
「世間じゃなくて、俺はそなたに訊いてるんだが」(本分より)
魔法が世俗から遠ざけられたのは、秘儀だからではない。
危険だからだ。
異界の力は、いともたやすく魔法使いを誘惑し、その代償として、いともたやすく現実を侵食するからだ。(第4章「魔法使いの禁忌」より)
教えてほしい。きみが望むなら、なんでもするから。
ぼくの手でも、足でも、目でも、命でも、なんでもあげるから。
『銀河鉄道の夜』に出てくる蠍のように、永遠の炎に焼かれてもかまわないから。(「五章 敗れた少年」より)
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評価:
野梨原 花南 富士見書房 ¥ 525 (2004-07-07) |
「よろしいですか? 探偵がいて、怪盗がいる。その関係の美学をおわかりにならないというのは、いかにも野暮ではありますまいか」
(第1章その1「探偵M氏に助手はどうです?」より)
「それでいい。私と対決するがいい。私は捕まらない。……そして、正義を胸に秘め、それを羞じらう若者は、私の相手にふさわしいと思っているよ、マルタ・サギー」
(第十章「マルタ・サギー名探偵事務所祝開店」より)
「才能なんて、とてもあやふやなもので、それを測る明確な方法なんて、これまでもこれからもないのに……。才能という幻想は、ときに凶器となり、人を傷つける。」(三章「天使は闇から見つめている」より)
ぼくは、右手を差し出した。
「友達になろう。いつか喧嘩しても、別れても、今、きみと友だちでいたい」 (本文より)
「ねぇ、失ったものを取り戻す方法を、コノハは知っている?」(本文より)
ねぇ! 太宰は『人間失格』だけじゃないのよ!
確かに、『人間失格』を書いたあと、太宰は死んじゃったかもしれない。救いようのない鬱々とした作品だっていくつも書いてるし、『人間失格』が、太宰の出した答えなのかもしれない。
けど、それだけが太宰のすべてじゃない。
太宰の作品には、はにかみ屋の優しい人たちがいっぱいいるわ。平凡で心弱いけれど強くもなれる人たちが、いっぱいいるわ。(本文より)