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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『本からはじまる物語』
評価:
恩田 陸
メディア・パル
¥ 1,365
(2007-12)
 木陰から、ふわっと一冊の青い絵本が飛び出した。
 優雅にひらひらと飛んでいく。
「あれをつかまえろ。あれなら、気質も穏やかで、おまえにもつかまえられる」(恩田陸「飛び出す絵本」より)

 トーハン発行の「しゅっぱんフォーラム」に連載された、18名の作家たちによる本にまつわる短編集。どれも十頁前後と短いので、毎晩寝る前に一編ずつ読んだり、なにかをしながら休憩時間に少しずつ読み進めてもよさそうです。
 一番印象に残ったのは、冒頭に引用した恩田陸さんの「飛び出す、絵本」です。絵本の森に分け入って、バサバサと飛び出してくる絵本を網で獲るんですよ。森の奥の暗い場所にはゴシックホラー系の絵本が生息しているかと思えば、自分が捕獲されたことにも気づかないのんびり穏やかな絵本もいる。そんな絵本の森に行ってみたいなあ。
 本多孝好さんの「十一月の約束」も、本屋で人探し顔をしている人を見かけたら、この話を思い出しそうです。市川拓司さんの「さよならのかわりに」に出てくるその人の生涯が書かれた本の描写がうつくしい。硝子の表紙にレース模様の装飾、彫刻された装画。こんな本、私も作って欲しいです。なんとも不思議で不条理な雰囲気が漂っている梨木香歩さんの「本棚にならぶ」。有栖川有栖さんの「迷宮書房」には、早い段階からニヤニヤしました。
 
 鳥のように飛び立つ本の情景が描かれた話が数話ありましたが、本の世界を旅する読書という行為を拡大すると、そういうイメージになるんでしょうか。

【収録作品】(掲載順)
 「飛び出す、絵本」・・・・・・・・・恩田 陸
 「十一月の約束」・・・・・・・・・・・本多孝好
 「招き猫異譚」・・・・・・・・・・・・・今江祥智
 「白ヒゲの紳士」・・・・・・・・・・・二階堂黎人
 「本屋の魔法使い」・・・・・・・・・阿刀田高
 「サラマンダー」・・・・・・・・・・・いしいしんじ
 「世界の片隅で」・・・・・・・・・・・柴崎友香
 「読書家ロップ」・・・・・・・・・・・朱川湊人
 「バックヤード」・・・・・・・・・・・篠田節子
 「閻魔堂の虹」・・・・・・・・・・・・・山本一力
 「気が向いたらおいでね」・・・大道珠貴
 「さよならのかわりに」・・・・・市川拓司
 「メッセージ」・・・・・・・・・・・・・山崎洋子
 「迷宮書房」・・・・・・・・・・・・・・・有栖川有栖
 「本棚にならぶ」・・・・・・・・・・・梨木香歩
 「23時のブックストア」・・・・・石田衣良
 「生きてきた証に」・・・・・・・・・内海隆一郎
 「The Book Day」・・・・・・・・・・・三崎亜記

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2008.01.22 Tuesday * 22:20 | アンソロジー他 | comments(0) | trackbacks(1)

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