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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『モノレールねこ』加納朋子
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 加納さんといえば、『ななつのこ』シリーズのような日常の謎系ミステリという印象があります。これはそこからミステリ色を差し引いた、ちょっとせつなくて温かい短編集でした。収められているのは8編。

■モノレールねこ
 デブねこの赤い首輪にはさんだ手紙がつなぐ、主人公の少年と見ず知らずの小学生タカキの話。

■パズルの中の犬
 ジグソーパズルが趣味の主人公。夫を帰宅を待つ時間に取り組んだ白いパズルの中に、犬の気配が立ち上るようになる。

■マイ・フーリッシュ・アンクル
 海外旅行へいった家族を旅先の火事で一度に全員失ったことで始まった、中学生の主人公と働かず家にいるだけで何にも出来ないダメダメな叔父さんとの二人暮らしの話。

■シンデレラのお城
 三十路を過ぎた主人公は周囲に五月蝿く言われるので、居酒屋で知り合ったミノさんという男性と偽装結婚することにする。傍目には仲睦まじい夫婦を演じていたが、実はミノさんには死んだ婚約者が見え、そばにいて共に生活しているというのだった。

■ポトスの樹
 幼い頃から、どうしようもないろくでなしの親父に虐げられてきた主人公。結婚して子供が出来たある日、思いもよらないことが起こる。

■バルタン最期の日
 ある日子供に釣り上げられてしまったザリガニの俺。飼われた家は、会社で人間関係に悩む父親と、学校でいじめにあっている息子、そんなふたりを気遣いながら無理に明るく賑やかそうと頑張る母親のいる家庭だった。

 温かい短編集と書いたけれど、意外と人が作中で死んでいます。殺人事件とかではなく、事故で家族を亡くしたり、過去に恋人を亡くしたりという、死者に関わる思い出やエピソードの多さが目立ちました。
 お気に入りは「マイ・フーリッシュ・アンクル」。ある日、亡くなった家族が火事にある直前に投函したらしい絵葉書が主人公のもとに届くんです。そこで叔父さんが天国にいる家族に向けて、自分たちも手紙を書こうと言い出す。焚き火で燃やせばきっと天に届くからと言って。そこで判明した叔父さんの秘密と、それを知られた後の叔父さんの様子がいいんですよー。ラストシーンもまた幸せな終わり方でよかったです。
2007.01.25 Thursday * 18:32 | 国内ミステリ | comments(0) | trackbacks(1)
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2011.01.19 Wednesday * 18:32 | - | - | -
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「モノレールねこ」加納朋子
「モノレールねこ」加納 朋子文藝春秋2006-11勝手に評価:★★★★★ 小学生の僕は、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが… (文藝春秋HPの内容紹介より) 表題作ほか7作品が収録されている短編
| Chiro-address | 2008/01/06 10:03 AM |
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