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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
評価:
森見 登美彦
角川書店
¥ 1,575
(2006-12)
「奇遇ですね」
「たまたま通りかかったものだから」

 京都を舞台に、黒髪の乙女と彼女に恋をしてしまった同じクラブの先輩が繰り広げる騒動と顛末を描いたお話。可愛いお話ですねえ。とってもキュートなんですよ。主人公のふたりが。無垢で天然な彼女と、彼女の視界に入るため、いつも血の滲むような努力の末に偶然を装って現れる先輩。これだけ硬派に、そして一途に想われてみたいなあ。もうほんとに一度は死にかけてますからね、先輩(笑)

 春の夜の先斗町で、夏の神社の古本市で、秋の大学の学園祭で。ふたりは(というか、彼女とそれを必死で追いかけていく先輩の周囲では)いろいろなことが起こります。最初の先斗町でのお話ではまだそんなにぴんとこなかったんだけど、次の古本市の章で「おお〜っ」と物語に惹きこまれていきました。古本市には神がおわすんですよ。本好きや、古本市に行き会うと立ち寄らずにはいられぬ人には、「うんうん、そうそう」「耳が痛いなあ」って思う箇所がいっぱいじゃないでしょうか。古本市の神様はきっと本当にいるんですよ。私も溜め込んでばかりじゃなくて、さくっと読んで次へと繋いで本を生かさなくては。なむなむ。
 その次の学園祭のエピソードが一番お気に入り。乙女に引っ張られて、読者も次から次へと学園内を縦横無尽に駆け回ることになります。なにより、なんだかちょっぴり先輩が恰好いい。先輩視点で書かれているところではロマンチック・エンジン全開のヘタレだけど、乙女視点だと素敵に見えますもん。偏屈王とプリンセス・ダルマのゲリラ演劇が見たくなっちゃいました。特にラスト!

 ひとことでいうなら恋愛ファンタジーとでもいいましょうか。ちょっと癖があると思うので、人によっては読みにくいと感じるかも。私は気になりませんでしたね。この文体が全体を不思議な空間にしていたし、レトロな雰囲気を醸し出してくれてました。表紙のイラストがまた、ナイスアシスト賞をあげたいくらい本書の雰囲気作りに一役も二役も買っていると思います。途中何度か表紙の二人を見返しちゃったなー。
 ところどころ笑えるところもあったりして。私が一番笑ったのは「恐ろしい子!」(笑) そういえば、大学生の頃電気ブランを部室で飲んだことがあったっけなあとか、いろいろと自分の学生時代を思い出したりもしました。こんなに不思議な出来事に見舞われたことはないけど。京都を知っている人は更に楽しめるでしょうね。

 本ブログ 読書日記
2007.06.11 Monday * 20:45 | 森見登美彦 | comments(0) | trackbacks(0)
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2011.01.19 Wednesday * 20:45 | - | - | -
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