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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『ワーキング・ホリデー』坂木司
評価:
坂木 司
文藝春秋
¥ 1,550
(2007-06)
「もったいないと思うのは悪くない。けど、金を払った以上は潔く楽しむことも覚えろよ」
「いさぎよく楽しむ?」
「そうだ。うまいものや楽しいことに金を払うと決めたら、それを楽しむことに一生懸命になるってことだ」(本文より)

 宅配業界を材とした、にわか親子の物語。元ヤンキーで二流ホストの大和(ヤマト)は、ある日突然自分の息子だと名乗る小学生・進(すすむ)の訪問を受ける。いろいろあってホストを止め、宅配業者へと転職し、夏休みの間だけ進と共に暮らすことになるのだが……という話。

 相変わらず読みやすい。そして心からの悪人というものは出てこない。それが坂木作品の良さでもあり、そういうところが好きで読んでいるのだけれど、なぜか今回はそれがむず痒く感じてしまった。ひきこもり探偵シリーズのような病的な部分があるほうが好みなのは確かだけれど、『シンデレラ・ティース』も楽しく読めていたのになんでだろう。大和の一人称が合わないのかな。進が出来過ぎ君だからか。う〜ん。それともミステリ要素がないせいだろうか。
 この話は坂木版お茶の間小説とでもいう雰囲気で、ひきこもり探偵シリーズにちらほら出てきたような人情話がメインになっている。いきなり宣言された父と息子が少しずつ距離を詰めていくのは、読んでいて素直な気持ちになれるし、ジャスミンやボスといった脇役陣がいい味を出してもいる。小路幸也の「東京バンドワゴン」シリーズが好きならこれも楽しめると思うんだけど。なんだろな、なにかもひとつ予想外の出来事が欲しかった気がする。

 どうでもいいことだけど、主人子の沖田大和からは宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長を、息子の進からは古代進を、ホスト仲間の雪夜からは森雪の名前を、それぞれ連想してしまって「ヤマト繋がりか?」なんてことを思ってた。

 本ブログ 読書日記
2007.08.16 Thursday * 01:50 | 国内ミステリ | comments(0) | trackbacks(1)
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ワーキング・ホリデー 坂木司
ワーキング・ホリデー 装幀はtheGARDEN石川絢士。初出「別冊文藝春秋」2006年7月号〜2007年5月号。 主人公で語り手の俺:ヤマト(沖田大和)は元ヤンキーの売れないホスト。訪ねてきたのは息子と名乗る小学五年生の進(
| 粋な提案 | 2007/08/18 3:19 AM |
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