* スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『鹿男あをによし』万城目学
評価:
万城目 学
幻冬舎
¥ 1,575
(2007-04)
 完全に硬直するおれに、鹿はゆっくりと続けた。
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」(本文より)

 神経衰弱を理由に、大学院の研究室を離れて産休の臨時教師として、奈良の女子高へ赴任してきた主人公の「おれ」。そんな彼の元に人間の言葉を話す鹿が現れて……。

 『鴨川ホルモー』といい、万城目さんは面白いことを思いつく作家さんですね。読み始めてすぐに「おや、これって『坊ちゃん』?」と思っていたら、作中でも主人公が同じようなことを言ってました。ちゃんと“マドンナ”もいるし、赴任したばかりの時の主人公と受け持ったクラスの生徒たちとの遣り取りとか、意識して書かれてますね。でもそれも最初のうちだけ。話はどんどんファンタジックな方向に突っ走りだします。
 とっつきやすくて読みやすい文章のせいで、ついついさらっと気楽に書かれているような印象を持ってしまうけれど、細かく伏線を張ってあるし、歴史や祭祀、十二支などに関する薀蓄もたっぷりで、気合の入った一冊なんじゃないかな。この薀蓄の部分を面白く読みました。
 前作『鴨川ホルモー』ではひたすら「ホルモー」のインパクトに引っ張られて読んでましたが、今回は緻密な構成を楽しみながら読んだという感じです。ただ、それでもどこか茫洋としてもっさりとした印象があるんだな。これが万城目さんの味なのか、それとも今後作を重ねていくうちに垢抜けていくのか。
 そうそう、主人公と机を並べる同僚の藤原先生がいい味出してました。主人公ならずとも、彼のほのぼのした雰囲気に癒されている同僚はいると見た(笑) 他にも、ハンサムな美術教師の重さん、ダンディな教頭のリチャードなどなど。出てくる女性陣がみな魅力的なのも好印象。マドンナ長岡先生や主人公に反発する女生徒の堀田、下宿先のおばあちゃん、そして“鼠”と昔語りの中に出てくるあまりにも有名な“あの女性(ひと)”。

 奈良には修学旅行で行ったことがありますが、大人になった今、ゆっくりまわってみたいところでもあります。しかし、これを読んだ人はみな、奈良で鹿に出会ったらポッキーをあげたくなっちゃうのでは?(笑)

 本ブログ 読書日記
2007.09.11 Tuesday * 13:54 | 国内その他 | comments(2) | trackbacks(2)
* スポンサーサイト
2011.01.19 Wednesday * 13:54 | - | - | -
Comment
私もつい数日前にこの本読み終わりました。
日本の歴史を分かりやすく織り交ぜているのがすごく面白かったです。アノ女性のお墓の在処、とか。
私も奈良に行く時はポッキー持参しそうです‥‥。
ブログに記事をアップした際にはトラバ、お邪魔するかも〜です。よろしくおねがいします。
| まめ | 2007/09/12 5:15 PM |
ね、ポッキーを持っていきたくなりますよね(笑)
日本史について書かれている部分が面白かったです。アノ方のお墓の件といい、歴史はロマンだ〜と思って読んでました。
こちらこそ、記事をアップされたらTBさせてくださいね。
| たかとう | 2007/09/12 10:52 PM |









Trackback URL
http://12key.jugem.jp/trackback/374
鹿男あをによし
鹿男あをによし (万城目 学 / / 幻冬舎) * * * * * * * * 大学の教授の勧めで、期限付きで奈良の女子高の先生をすることになった「おれ」。 慣れない土地、うまくいかない授業で悩んでいるとき、人間の言葉をしゃべる鹿が現れた‥‥。 『20
| 図書館日記 | 2007/09/19 10:20 AM |
「鹿男あをによし」万城目学
「鹿男あをによし」 万城目 学 幻冬舎 2007-04 勝手に評価:★★★★★  ねえ藤原君、「あをによし」って知ってる?何ですか急に。いやね、生徒から知っているかと訊かれて、何だそれ?って返したらずいぶん馬鹿にされてね。え?知らないんですか先生?知らないよ
| Chiro-address | 2008/01/26 10:58 AM |
<< 『安吾マガジン』 | main | 『中井英夫 虚実の間(あわい)に生きた作家』 >>