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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『タルト・タタンの夢』近藤史恵
 彼女は黙ったまま、目の前の皿を見つめていた。
 白い皿の上で、アイスクリームは静かに溶けていく。まるで、魔法が解けるように。(「タルト・タタンの夢」より)

 ベージュの柔らかな色合いの表紙と温かみのあるイラスト。近藤さんの新作は、どれもフランス料理が出てくる、実に美味しそうな短編集でした。フランス料理といっても肩の凝るものではなく、従業員四名のこじんまりとして家庭的な雰囲気のお店なので、こんなお店が近くにあったら是非とも行ってみたいと思わせます。でも、やっぱり最初の一歩がなかなか踏み出せないかな。気にはなるけどちらちら中を窺って怪しい人物認定されそうです(笑)

 そんな家庭的な雰囲気のある小さなフランチレストラン「ビストロ・パ・マル」に集う人々が持ち寄る、些細な食にまつわる謎を、長髪で武士のような風貌のシェフ三舟が解いていく日常の謎系ミステリ。謎そのものは大層な話ではないんですが、その人の生活や人生に関わる事柄に、食というのは意外と大きく影響するものかもしれませんね。どれもさくっと軽い口当たりで時にはスパイスもきいており、読後ちょっぴりお腹の底が温まるような、そんな短編集でした。続編が出たらきっとまた読むと思います。 読んでいるとお腹が空いてきますよ〜。私は甘いものが好きなので表題作で描かれているタルト・タタンや、「割り切れないチョコレート」の中のボンボン・オ・ショコラが食べたくなりました。
 話のほうも、「割り切れないチョコレート」が気に入ったな。ああいうきっかけで美味しいチョコレートを作るようになった人が、そのままの状態でいるはずはないと思うので、きっとその後は穏やかな結末を迎えたと思っています。
 あと、「オッソ・イラティをめぐる不和」は、奥さんのほうに同調しながら読みました(笑)

【収録作】
 「タルト・タタンの夢」「ロニョン・ド・ヴォーの決意」「ガレット・デ・ロワの秘密」「オッソ・イラティをめぐる不和」「理不尽な酔っぱらい」「ぬけがらのカスレ」「割り切れないチョコレート」

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2007.12.31 Monday * 01:54 | 国内ミステリ | comments(0) | trackbacks(1)
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タルト・タタンの夢 近藤史恵
ブックデザインは緒方修一。カバーイラスト・デザインは谷山彩子、本山木犀。初出「ミステリーズ!」。創元クライム・クラブ。連作短編集。 下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル(悪くない)。風変わりな三舟
| 粋な提案 | 2007/12/31 2:31 AM |
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