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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『モーニング Mourning』小路幸也
評価:
小路 幸也
実業之日本社
¥ 1,680
(2008-03-19)
「なんて言った?」
 ヒトシの問いに、淳平は少しだけ手を広げるようにしてから、言った。
「自殺するんだ。俺は」(本文より)

 タイトルの「モーニング」は、ラストシーンの風景の「朝」と物語の内容の「喪に服す」の両方にかけてあるのかもしれませんね。
 大学時代、ひとつ屋根の下で共同生活を送りバンドも組んでいたダイ、淳平、真吾、ワリョウ、ヒトシの5人。卒業してから20年の月日がが過ぎ去り、突然の事故で亡くなった真吾の葬儀のために集まった。その帰り際、淳平が「自殺する」と言い出し、他の三人はなんとかそれを阻止しようと「自殺の理由を当てたらやめる」約束をとりつけ、仲間だけのロングドライブが始まった……。
 椎名誠さんの『哀愁の町に霧が降るのだ』や高野秀行さんの『ワセダ三畳青春記』のような賑やかで楽しい学生生活を書いた本が好きなのですが、この話の中でも主人公達の学生時代が描かれていました。その年代によくある騒がしさと明るさとせつなさ。けれど自殺宣言をした友人を止めるための回想なので、そこには秘密や哀しい出来事も絡んできます。45歳の主人公たちにとってそれは過去ではあるけれど、ずっと忘れ得ぬ特別な時間。
 何があったかはネタバレになるので触れませんが、彼らの秘密に関しては私は共感できませんでした。全くといっていいほど。まあ、共感を得ようとして書かれたパートではないようにも思うので、作者と自分の感覚の齟齬を感じることもさほどなかったんですけどね。むしろ友人の自殺を止めるために長い長いドライブに出る、そのロードムービーな感じを楽しむものなんだろうなあと思います。車内という限定された空間の中での少人数による回想とディスカッション。こういう設定は好きです。
 ただ、最後の伏線の回収方法が、少々強引で納得できないものだったかな。茜が真吾に託したとされる手紙の件なんかは特に。ミステリとして読むと肩透かしを食らいます。ああ、それに読み手が男性か女性かでも感じ方が変わりそうだなあ。

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2008.05.22 Thursday * 15:51 | 小路幸也 | comments(0) | trackbacks(0)
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2011.01.19 Wednesday * 15:51 | - | - | -
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