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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『天使のナイフ』薬丸岳
天使のナイフ天使のナイフ
薬丸 岳

講談社 2005-08
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 桧山貴志は自分の留守宅で妻の祥子を惨殺された過去を持つ。生後五ヶ月の娘の目の前で妻を殺したのは、まだ13歳の少年三人組だった。少年たちは更生施設へ送られ僅かな年数で社会復帰し、そして四年後、そのうちのひとりが何者かによって殺された。「国が罰を与えないのなら、自分で殺してやりたい」と発言したことのある桧山は、たちまち疑惑の目を向けられるようになる。過去の事件を調べるうちに見えてきた真実は――。

 第51回の江戸川乱歩賞受賞作。少年犯罪がテーマです。ただちょっとだけ、最近よく見かけるようになった同じテーマのものと違うところがありました。少年法についての是非だけではなく、その後の更生について掘り下げているところです。むしろそちらがメインでしょう。少年の罪を裁けるかどうかよりも、罪をどう償い悔い改めるのか。真の更生とは?
 犯罪において、被害者側が圧倒的に虐げられた不利な立場であることは、いろいろな本や雑誌テレビで現在取り上げられています。犯罪者を裁いて欲しくて裁判などの行動を起こすのは被害者側で、経済的負担も大きい。少年犯罪の場合、裁判記録など公にされないので被害者家族にもその内容は知らされないず、少年法改訂によって閲覧できるようになった裁判記録も、謄写代という高い料金を取られるというのは、本書を読んで初めて知りました。被害者たちは、お金を払って情報を買うのだという現状を。そしてこの少年法のために事件の情報が公開されないことで、更なる事件が生じるのです。
 中盤まではだいたい予想どおりに話が進みますが、後半、それぞれの登場人物たちと事件とこのテーマがすべて繋がってゆくあたりは、頁を捲る手も速くなりました。タイトルの意味も、ああなるほど、と。本当の償いとは、更生とは、どうすればよいのでしょうね。少年犯罪をテーマに扱っていながら、読後感はそう暗くならず、どこか救いというか期待が持てる気がしました。
2006.01.21 Saturday * 00:42 | 薬丸岳 | comments(0) | trackbacks(0)
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2011.01.19 Wednesday * 00:42 | - | - | -
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