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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『マルタ・サギーは探偵ですか?』野梨原花南
「それでいい。私と対決するがいい。私は捕まらない。……そして、正義を胸に秘め、それを羞じらう若者は、私の相手にふさわしいと思っているよ、マルタ・サギー」
 (第十章「マルタ・サギー名探偵事務所祝開店」より)

 一読後の感想は、「読者をここまで置いてけぼりにするってのもすごいな」でした。いやもう、世界観とか物語の背景とか極力省略してありますね。実はこの巻は伏線だけの巻で、後で全部の謎が解明されて細かいエピソードが全部繋がって……となったら傑作になるだろうと思います。けど、どうかなあ。そうはならない気がするなあ。
 視点がぶれまくりなので、読んでいて台詞や独白が誰のものなのかすんなりわからないことも多々。神の視点で全ての登場人物の心情に入り込んで書いているわけでもないし、かなり読みにくく感じられました。う〜ん。

 が、しかし。
 それでも続きを読もうという気にさせられたんですよ。主人公が青くてまだまだ痛いところのある子でも、ハイブリッドミステリーと銘打たれているくせにまったく“推理”というものが出てこなくても、多分最終巻まで読むことになるだろうと、この1巻目を読み終えたときに思ったわけです。
 なぜかというと、個々のキャラクターとこの物語の舞台である「オスタス」という町に惹かれるんですよね。オスタスは霧深く、人間族とエルフやゴブリンが共に生活し、神々しい女王が統治する町で、切り裂きジャックの時代のロンドンによく似ています。
 この話の中にも切り裂きジャック事件と似た連続殺人事件が出てきますが、それは推理によってではなく、「名探偵」のカードが持つ超自然的で強制的な「力」によって解決されます。そしてその「名探偵」のカードを使うのがマルタ・サギーこと、この異世界に紛れ込んでしまった鷺井丸太17歳。やる気のない高校生だったのが学校を辞め、ふらりと入ったコンビニで引いたクジに当たって「名探偵」のカードを手に入れるところから話が始まり、そのカードを最初に使ったときにオスタスという異世界へと飛ばされてしまうのです。
 冒頭に引用したのはマルタ・サギーの好敵手となる怪盗ドクトル・バーチの言葉。バーチとマルタの関係も、これから楽しいことになっていきそう。しかし、表紙のイラストは思いっきりネタバレしてるけど、この物語は推理ものじゃないからいいのか?(笑)

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