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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』スコット・フィッツジェラルド
評価:
スコット・フィッツジェラルド
イースト・プレス
¥ 1,365
(2009-01-22)
 人生は夢であると感じることはないだろうか。(「訳者あとがき」より)

 映画のほうは本年度のアカデミー賞最多ノミネートで、テレビでCMをよく見かけます。けれど、その原作となったこのお話を書いたのが、フィッツジェラルドだったとは知りませんでした。
 80代の老人の姿で生まれ、年々若返っていくベンジャミン。女性はよく、ある程度の年齢になると化粧品や美容整形などの力を借りて若さを保とうとするものですが、それは美しく見える状態を保持したいだけで、こんな風に止まることなく若返り続けてしまうのは、羨ましくもなんともないというのがよくわかりました。
 実年齢が子供の頃は容姿が老人で、実年齢が老齢に達する頃には容姿が子供。自分よりもはるかに年下の者に子ども扱いされ、自分の経験や知識も活かすことが出来ない。自分の息子にも疎まれ、彼を本当に理解しているものはひとりもいません。妻でさえ、彼を理解して愛したわけではないだろうと思います。ベンジャミンの母親が一度も話の中に出てこないのも、大きな喪失感を伴います。
 なんと恐ろしく孤独で悲劇的な人生か。
 彼にとっては中身と外見の反比例した一生は、どこをとっても誤解や無理解の連続だったことでしょう。懐かしむ思い出もなかったかもしれない。読みながらかすかに抱いていたハッピーエンドへの期待も軽く裏切ってくれて、思いがけず呆然としてしまいました。特にラストシーンは、印象的です。我々は生から死へ向かって生きているのではなく、生と死が二つ巴の模様のように近接している中にいるのかもしれませんね。

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JUGEMテーマ:読書
2009.02.10 Tuesday * 20:01 | 海外その他 | comments(0) | trackbacks(1)
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2011.01.19 Wednesday * 20:01 | - | - | -
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生-★★★★-
約3時間という上映時間は正直感じられませんでした。どきどきするというのはあまりないのですが、中だるみのないところはさすがデヴィット・フィンチャーですね。
| not simple. | 2009/02/12 10:12 AM |
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