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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『神去なあなあ日常』三浦しをん
評価:
三浦 しをん
徳間書店
¥ 1,575
(2009-05)

 花の香りで息苦しいほどだ。研ぎ澄まされたのは嗅覚だけでなく、聴覚もだ。森はもっと静かなものだと思ってたけど、全然ちがった。いつもどこかで、葉が落ち茂みの揺れる音がする。(「二章 神去の神さま」より)

 平野勇気は、高校卒業と同時に担任教師と親によって三重県の神去村へ送り込まれた。それは、「緑の雇用」制度(林業に就業することを前提に国が助成金を出す)によるもので、右も左もわからないまま林業の見習いをすることになる。

 面白かった。初心者の勇気が語り手となることで、年間を通しての仕事と作業の段取り、手順、林業の置かれている現状など、林業についてなんの知識もない私も読んでいる少しずつわかってくるのがまず楽しいし、山や森の自然描写がとてもよかったです。踏みしめた土の軟らかな感触や、刻々と雰囲気を変える山の空気、朝に夕に目を楽しませる空の色。そういったものの描写が本当に読んでいて気持ちいいんですよね。「自然」とは、というのを勇気が仕事の先輩から聞くシーンがあって、ただ緑を植えればそれでいいと思っているのは違うんだと知りました。
 勇気が面倒を見てもらうことになった中村林業の人々も村の人々も、みな「なあなあ」が口癖で村全体がのんびりムード。そんな中で流されるように林業に身を置いていくうちに、だんだん林業の魅力に惹きつけられていく勇気の姿もいい感じです。登場人物がみな明るくて気持ちよく、自然描写と神隠しや祭りなどの出来事が山の崇高さを感じさせてくれました。
 宮崎駿氏が帯やPOPに推薦文を書いているんですが、宮崎アニメで映画化したのを見てみたい。とっても合いそうな気がします。

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JUGEMテーマ:読書
2009.09.18 Friday * 20:45 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(1)
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394「神去なあなあ日常」 三浦しをん 〈図〉
これは面白い! 母と担任に半ば騙され、脅され田舎の林業に携わることになってしまった少年、勇気。 でもそこで過ごしていくうちに神去村の自然の美しさと、林業の楽しさとに目覚めていく物語なのです。 一応勇気の手記という体裁ですので、と考えると、文章上手い
| 月の鼠 | 2009/09/22 9:28 AM |
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