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評価:
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,470
(2010-06-26)
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古典部シリーズの最新刊。
ホータローたちの下に新入部員・大日向が入ってきた。しかし彼女は仮入部期間終了と共に古典部をやめると言い、ホータローはマラソン大会の最中にこの数ヶ月の古典部を振り返って、大日向が辞めようとしている理由を推理するのだが……という話。
省エネ主義のホータローがマラソンをしているのも面白いですが、走りながら推理をするというのもちょっと変わっていました。前作の終わり方が終わり方だったんで、タイトルを見たときはホータローと千反田のふたりのことが描かれているのかと思っていました。ちょこっとは触れられていましたね、このふたりのことも。タイトルは何組かのふたりを当てはめることができました。今回の話のメインである大日向ともうひとりについては、ほろ苦い。飄々としているようで、いつも最後にちくっと痛みや苦味が残るのが古典部シリーズの魅力ですな。一歩人から引いたところにいるホータローが、千反田のことを理屈からでなく人柄から信じたのは大きな変化かもしれませんね。
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