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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
連の左手がすっと水平に上がる。俺は右手を伸ばす。連の手にバトンを押し込む。引っ張られる感覚で手を離す。バトンと共に連が消えていく。この瞬間が好きだ。(本文より)
鉄扉の閉まる重い音がした。7月某日午後3時ちょい過ぎ。おれが外の自由な世界から締め出された瞬間だった。――第1留置室の新入りとなったワイは、そこで4人の先客と出会う。デンさん、ノブさん、ハセモトさん、そしてマサカさん。案外みんなから親切に扱ってもらっているうち、ワイはハセモトさんが逮捕された事情を聞くことになり――(第1話「古書蒐集狂は罠の中」)
第1留置室で繰り広げられるおかしな謎解き合戦。必ず最後に真相に辿り着くのは、誰よりも胡散臭いマサカさん!? 留置場版日常の謎(?)など愉快な5編を収録した連作ミステリ。
辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。ある朝とつぜんに。そして五月雨に打たれるように濡れそぼってこころのかたちを変えてしまいたいな。(本文より)
「理由はどうあれ君は夜にひとりでびしょ濡れで、だったらぼくは君の夜に付き合うのみさ。他に何ができるっていうんだ。僕には太陽なんて作れやしないんだ」(本文より)
「沢村君、生きてりゃこの先まだまだ悪いことがいっぱいある。――だから生きよう」(本文より)
『探偵』といえば、失われた『ミステリ』においてもっとも重要な役割を果たす存在だ。『探偵』とは秩序の象徴にして、正義の象徴だ。バラバラにされた不可解な謎を再構築し、元のあるべき姿に戻す能力を持った偉人だ。〜(中略)〜 焚書の時代は、彼らを死に耽る狂人とみなしたけれど、彼らより真正面から人の死に向き合う人間が、この壮絶な死の時代に存在し得ただろうか。(本文より)
行く水に数かくよりもはかなきは
思はぬ人を思ふなりけり
名にし負はばいざこと問はむ都鳥
わが思ふ人はありやなしやと
賭け金10億円。騙され陥れられた4人が、プライドと未来を取り戻すために世紀の大博打に打って出た。
評価:
エドワード・バーンズ,レイ・ブラッドベリ,ピーター・ハイアムズ,キャサリン・マコーマック,ベン・キングスレー,ジェミマ・ルーパー,デビッド・オイェロウォ,ウィルフライド・ホッコルディンガー,コーリイ・ジョンソン ジェネオン エンタテインメント ¥ 1,500 (2006-07-21) |
モボ・モガを父母として生まれてきた江川蘭子は、まだ物心もつかない二歳のとき、その両親を殺人事件の被害者として突如として失い、しかもその血みどろの惨劇の現場に放置されるという異常な状況の中に置かれたことから、その精神構造への影響が心配された……。世間はこの乱脈を極めた生活者である被害者に同情を寄せず、また犯人を挙げられない警察の無能を罵る者もなかった。が、蘭子は後年、みずから父母の仇討ちを目論んだ。「新青年」昭和五年九月号から六年二月号まで、江戸川乱歩の発端から横溝正史・甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・森下雨村と書き継がれた合作探偵小説「江川蘭子」。――妖艶江川蘭子の魔性の生涯に、血みどろの夢はいかに叶えられるか……。
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