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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
一陣の風が吹いたとき、嫁入り前の娘が次々と神隠しに――。不思議な力をもつお初は、算学の道場に通う右京之介とともに、忽然と姿を消した娘たちの行方を追うことになった。ところが闇に響く謎の声や観音様の姿を借りたもののけに翻弄され、調べは難航する。『震える岩』につづく"霊験お初捕物控"第二弾。
走る姿がこんなにうつくしいなんて、知らなかった。これはなんて原始的で、孤独なスポーツなんだろう。だれも彼らを支えることはできない。まわりにどれだけ観客がいても、一緒に練習したチームメイトがいても、あのひとたちはいま、たった一人で、体の機能を全部使って走りつづけている。(本文より)
末だ闇深き「冥都東京」に現わる七ツの謎、謎、謎―血を吐く松、石雨れる家、夜泣きする石、迷路の人間消失、予言なす小さ子、消える幽霊電車、天に浮かぶ文字―これら奇々怪々、不思議千万の事件を取材するは、早稲田の芋ッ書生にして、雑誌の種とり記者の阿閉万(あとじよろず)。かたや、その綾を解いて見せるは、下宿館の家主で、「玄翁先生」こと間直瀬玄蕃(まなせげんぱ)。この大家と店子の珍妙なる問答の末に、明かされる意外な真相とは? 安楽椅子ならぬ"縁側探偵"の名推理とは?(「BOOK」データベースより)
からだについた傷は、ときがたてばいえる。だが、心の底についた傷は、わすれようとすればするほど、ふかくなっていくものだ。
それをいやす方法はただひとつ。
きちんと、その傷をみつめるしかない。(本文より)
藤子・F・不二雄をこよなく愛する、有名カメラマンの父・芦沢光が失踪してから五年。残された病気の母と二人、毀れそうな家族をたったひとりで支えてきた高校生・理帆子の前に、思い掛けず現れた一人の青年・別所あきら。彼の優しさが孤独だった理帆子の心を少しずつ癒していくが、昔の恋人の存在によって事態は思わぬ方向へ進んでしまう…。家族と大切な人との繋がりを鋭い感性で描く“少し不思議”な物語。(「BOOK」データベースより)
山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティー。その年、不吉な前兆と共に次々と変死事件が起こった。果たして犯人は……。
北川氏の歓喜は勝利の悲哀に転ずる一刹那前のクライマックスに達していた。
彼は今、歩きつづけながらベースボールの応援者達が、「フレー、フレー、何とかあ」と喚いて躍り上る時の様に、躍り上った。そして、気違いの様に涎を垂らしながら、ゲラゲラと笑った。夥しい汗が、シャツを通して、薩摩上布の腰のあたりをべっとりと湿していた。真赤に充血した顔からは、ぽとりぽとりと汗の雫が垂れていた。(本文より)
ふうちゃんの結婚式の日、お父さんのハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った五つの謎を。幼稚園児のふうちゃんが遭遇した卵焼き消失事件、小学生のふうちゃんが起こした意外な騒動……。心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった。児童文学の新鋭が、頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿を優しく綴った快作!(出版社 / 著者からの内容紹介)
自信。それは努力して身につけるものではなく、天恵みたいに与えられるものだ。可愛さとまったく同じように。(本文より)