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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『マスクごしに見たメジャー 城島健司大リーグ挑戦日記』会津泰成・著、繁昌良司・撮影
 日本人キャッチャーとして初のメジャーリーガーとなった城島健司。「不安を求めて」新天地に挑んだジョーの知られざる真実。初めて明かした父との秘話も収録。(「BOOK」データベースより)

 「週プレ」の連載をまとめたものということで、城島選手の毎日がちょっとずつ語られている。
 捕手というのは、その日のゲームの大半の責を負う重要なポジション。ゲームメイカーでもある捕手がメジャーに通用するということは、すなわち日本のプロ野球がメジャーに通用するかというくらい大変なことだろう。だから今まで野手や投手は向こうに渡っても、捕手がメジャー入りすることはなかった。城島選手がメジャーの、しかもマリナーズで正捕手になったというのは、本当に驚きだった。
 そんなわけで、日本人捕手から見たメジャーはいったいどんな風に見えるのだろうと期待して手に取った。……う〜ん、城島選手と近しいライターさんが書いているせいか、やや褒めすぎ持ち上げすぎに感じる箇所が多々。確かに彼はスゴイ。けど、つらいことや苦しいことを語らない“スゴイ”彼の内面をもっと掘り下げて欲しかったな。城島本人が漏らした数少ない言葉のひとつひとつには、興味を惹かれた。それだけに物足りない。
「キャッチャーの仕事は、ピッチャーの球ではなく、心を受け止めること」(本文より)

 本ブログ 読書日記
2007.06.28 Thursday * 11:24 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(1)
* 『カカオ80%の夏』永井するみ
評価:
永井 するみ
理論社
¥ 1,365
(2007-04)
 主人公の凪(なぎ)は女子高生。突然書置きを残して姿を消した同級生、雪絵を探すことになる。凪と雪絵は特別親しかったわけではないが、雪絵が姿を消す前日に凪と一緒に買い物に出かけていたのだった。

 凪は周囲と群れるのをよしとしない、一匹狼タイプの大人っぽい雰囲気の女の子。かたや雪絵は真面目で清楚な普通のお嬢さんタイプ。正反対のふたりの間には特別な交友はなく、かといってそれで行方不明になってしまった同級生を放っておくことも出来ないところが凪にはある。一見きつく見られがちな凪の内面はとても繊細で、離婚した両親や、恋愛体質で娘よりも恋人に夢中になっている母親に対する孤独感などが、事件を追いつつ吐露されていく。
 とても読みやすくて先の気になる展開は、永井さんらしいリーダビリティだと思う。特に雪絵がモデルの卵や正統派お嬢様たちにネットを介して接触し、彼女たちに少々度を越した質問を投げかけたことの謎と、失踪の真相が絡まり始めるあたりからは一気読み。凪と馴染み店のマスターとの仄かに香る恋の予感もいい。少年少女向けということで、どぎつい犯罪シーンやはっきりとした恋愛のあれこれは出てこないけれど、老人介護や福祉についてさらっとした書き方ながら当事者の感情をしっかり書いてあったりもして、品良くまとまっていると思う。

 気になることがあるとすれば、ネットでメールを一度したくらいで即オフで会うってのは、無防備なんじゃ?ということくらいかな。老人介護に関する話も出てきて、そこで老婦人の危機管理の甘さを凪が内心で突っ込むんだけど、雪絵のことを仄めかされただけで嫌な感じの男の誘いに乗ってしまう凪も充分甘い。そうやって人のことはあれこれ気づいても自分のことは見えてないってのもまた、若さと青さを表しているのかもしれないけれど。
 単なる脇役だと思っていた登場人物が、読み終えたときには主人公と読者にとって大きな存在になっていて、それが意外で嬉しい半面もっと彼女たちの話を読みたくさせた。シリーズ化しても良さそうなキャラ配置だと思うんだけど、どうでしょう。マスターと凪の今後も気になるし。

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2007.06.27 Wednesday * 12:56 | 理論社ミステリーYA! | comments(2) | trackbacks(1)
* 『さよなら絶望先生 第8集』久米田康治
評価:
久米田 康治
講談社
¥ 420
(2007-04-17)
 祝!講談社漫画賞受賞!
 祝!アニメ化!
 ということで、「絶望先生」好きで毎週マガジンで読んでるんですが、感想書くとなるとなんといっていいのか難しい。自虐、諧謔、社会風刺etc... 久米田氏の作風と絵柄が好きで、これはもう相性としかいいようがないんですよね。こういう諧謔に満ちた風刺ギャグセンスが好きかどうか。作中に潜ませている小ネタを探すのに嬉々として飛びつくかどうか。
 根底にあるのは作者の膨大な知識量なので、嵌るとものすごく嵌ります。小ネタひとつひとつに反応してみたり。伏字などを使った、分かる人には分かる時事ネタやパロディ、ギャグに思わずニヤリとしてしまう。

 いや、それにしても講談社漫画賞の少年部門を受賞するとはびっくり。作者もびっくり、読者もびっくり、編集部もびっくりでしょう(笑) 月刊アフタヌーン掲載の受賞コメントにも笑いました。わざわざ少年サンデーに言及してあるあたりがらしいなあ、と。
 もう観念して、押しも押されもせぬ人気漫画家と名乗っていいんじゃありませんか?>久米田センセ
 あとは、アニメが無事放送始まってくれればそれでよし。公式サイトを見ると、ようやく放送開始日時等詳細がアップされてたんでほっと胸を撫で下ろしている次第。主題歌は大槻ケンヂだとか。それもなんか、らしいなあ。

 少年漫画部門は「絶望先生」で、一般部門は「おお振り」でしたね。そっちもおめでとう!
2007.06.27 Wednesday * 12:09 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『アンダースロー論』渡辺俊介
評価:
渡辺 俊介
光文社
¥ 735
(2006-09-15)
 なぜ、90キロのボールが打てないのか? 子どもの頃から「エースで4番」が当たり前のプロ野球界にあって、常に2番手投手だった著者が、日本一、アジア一、そして世界一の栄冠を勝ち取れた理由とは。常識を覆す投球論。(「MARC」データベースより)

 見ていてキレイだな、と思う投球がある。それは大抵アンダースローの投球フォームで、そして最近ではこの渡辺俊介投手の投球フォームが私は好きなのだ。
 ライターによる聞き書きなのか、話し言葉で書かれていてすらすらと読みやすい。文章量も多くない。語り口がソフトなせいか、難しいことを言っているようには感じないが、よく読むとマニアックで奥深いことが書かれている。

 どう指先をボールの縫い目にかけるかで変わる変化球やストレートの関係、爪を切るタイミング、先発となったときの一週間の過ごし方、よく曲がるカーブよりも曲がりの小さいカーブの方が打ちにくいこと、投球リズムを自らずらすことで打者のバッティングを崩す方法などなど、それほど野球に詳しくない私にも興味深く思える話が多かった。
 実践的なことばかりではなく、内面的な話も多い。二軍と一軍の間を何度も行き来したときの心境や、「これが野球人生最後の投球になるかもしれない」という恐怖感いっぱいで投げた日のこと、足が遅くて打撃も弱い、身体能力がそれほど高くなくコントロールも悪い自分が野球を続けるためにアンダースロー投法へシフトチェンジしていった過程など。
 渡辺投手の人柄もあるのだろうけれど、「これが俺だ」という話ではなく、「自分はこうだったんだよ。参考になればいいんだけど……」という語りで押し付けがましくない。大学時代の監督さんに「気を配れる人間になれ」と教えられたというのが、ここらへんにも生きているのかもしれない。

 現在日本にはどれくらいのアンダースロー投手がいるのだろう。「絶滅危惧種」なんて言葉も使われるくらい、珍しい存在らしいけど。プロ野球を見ていてもやはり少ない。ということは、アマチュアや球児たちがアンダースローを習得したくても、教えを請う相手が絶対的に少ないってことでもあるんだろう。あとがきで渡辺投手自身が、今回この本を著したのは、自分よりも若いアンダースローの投手たちに少しでも自分の経験や技術を伝えたい、プロ野球などで活躍して欲しい、という強い気持ちがあったからだと言っている。
 すっと構えてしなるようにひゅんと投げるアンダースロー。もっと多くのアンダースロー投手を見たい。この本を読んで励まされる球児がいればいいなと思う。

 本ブログ 読書日記
2007.06.22 Friday * 22:59 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『ブーの国』明川哲也
評価:
明川 哲也
文藝春秋
¥ 1,600
(2005-11)
「どんなに希望のない物語であろうと、悪辣な人物ばかりの物語であろうと、それを語るということはな、ケサン、生を味わうということなんだよ!」(本文より)

 飢餓や病気に苦しむ子供たちにも、一時それを忘れさせるだけの力が物語にはあると、誰かがどこかで書いていた。中島梓の評論の中だったかもしれない。この本を読んだ直後、そんなことを思い出した。

 ブーの国とは、一本の青クヌギの木の中に溜め込まれた膨大な物語の中の世界らしい。そこから「大仏歩く」「嗅ぎ屋プノンペン」「影屋の告白」「願い屋と幻灯屋」の四つの話が語られてゆく。
 動き出した大仏の話、亡くなった兄の匂いを追い続け嗅ぎ屋として生計を立てるようになった男の話、人の罪を吸い取るという影屋の話、誰かの代わりに人に頭を下げる願い屋と彼に立ち退きをお願いされる幻灯屋の話など。
 今の日本と似ているけれど細かい部分(特に社会のヒエラルキーや職業など)がまったく異なる不思議な世界観で、かといって綺麗なファンタジーではなく、どろっと暗い背景が登場人物たち全員にある。みんな不器用で、そして様々な理由で虐げられてきた人たちだ。人生を諦めたり投げやりになってもおかしくないほど、底辺を這いずり回っている人たち。それでも彼らはぎりぎりまで生き続けているし、彼らが生きている限り物語は紡がれていく。こんな書き方をすると、よくある泣ける話かと思われるかもしれないが、そうじゃない。暗くてつらくて、でも、それも生きてるってことのひとつの証なんだなと思う、そういう話。
 ひとつひとつの話がリンクしていって、最後の一編でひとつにまとまる。まとまるだけではおさまらず、ラストにほんの一瞬の光を見せてくれる。それまでの暗さが払拭され、つらさやかなしさが昇華された、と思える光景。希望とか優しさとか、そういうものとは微妙に違う、上手く言えないカタルシスを感じた。

【収録作】
 大仏歩く/嗅ぎ屋プノンペン/影屋の告白/願い屋と幻灯屋

 本ブログ 読書日記
2007.06.21 Thursday * 20:18 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『図書館危機』有川浩
評価:
有川 浩
メディアワークス
¥ 1,680
(2007-02)
 あたしたちが被るのは泥じゃない。
 図書隊が被るのは血なのだ―― (本文より)

 毎回毎回、読み始めは主人公の笠原にイラッとして「駄目だ……やっぱり私は笠原に馴染めない」と思う。もし彼女の同僚だったら、チクチクと嫌味でも言って「なんなんだあいつ!ムカつく〜!」とか叫ばれていたことだろう。そして柴崎に後からサックリ仕返しされちゃうことだろう。そんなことを思いながら読んでいる。けど、途中からそれがだんだん薄れていって、佳境に入ることには笠原の行動に心動かされてたりするのだ。
 こんな感じで読み進めること三巻目。今回は図書隊にとってとても大きな出来事が起こる。が、それはひとまずおいといて。巻頭から中盤にかけて前巻から引きずっているラブコメ要素がこれでもかと繰り広げられて、そこらへんは甘酸っぱいというかこっぱずかしいことこのうえない。実はこのラブコメ要素が苦手なので「うおぉぉ……」と悶絶しまくっていた。誰か、誰か塩持ってきて! この口からザーザー吐き出される砂糖を止めて!
 堂上と笠原、小牧と鞠江ちゃん、手塚と柴崎、玄田と折口。それぞれの話が出てきて、図書特殊部隊はなにやら落ち着かない。表面上はいつもどおりだけど。前巻で手塚と柴崎は良いコンビになると書いたけど、まさか本当にこういう微妙な雰囲気になるとは……。有能なくせに不器用なこのふたりは、堂上&笠原コンビよりもずっと応援したくなる。あっちはほっといてもラブラブなんで(笑)

 あとがきによると、あと一巻でこのシリーズは終わるそうな。あと一冊で終わるのか?というのが正直な感想。この戦いは一朝一夕で終わるもんでもないだろうし、これまで流された血の遺恨もすぐに消えることはないだろう。次の巻で大団円を迎えるとは考えにくい。前向きなエンディングにはなるだろうけれど。
 それよりも、ここまで触れずにきていた「メディア良化法」を通した側の信念や思いというのも、是非書いて欲しいな。やや、図書隊側からの一方的な勧善懲悪物語になってきているから。「メディア良化法」を立案した側にも相応のなにかがあってのことだろうし。

 「第三章 ねじれたコトバ」から話はシリアスなモードに入り、放送禁止用語に指定されている言葉をめぐっての問題が出てくる。「床屋」や「魚屋」「八百屋」が軽度の放送禁止用語になっているのは、なにかで聞いたことがある。けれど、どうしてそれが放送禁止用語とされたのかは知らない。そういや「町医者」って言葉も、今は「開業医」って言い換えられてるなあ。なにがいけないの? 配慮によるものだったはずが、当事者からすれば逆差別になっているという実態。それに異議を唱える人々(民間人)が初めて出てくる展開には目が離せなかった。明るい展望ではないかもしれないけれど、なによりも悪いのは無関心でいることだと思うので、嚆矢が放たれただけでも大きな一歩だ。

 そして物語は佳境を向かえ、「日野の悪夢」を思わせるほど苛烈な戦いが起こる。この第五章はもう、ひたすら頁を繰り続けて一気に読んだ。戦いの収束、図書隊の徽章にカミツレの花があしらわれていることの意味。稲嶺司令好きとしては、カミツレにこめられた思いにうるっときた。花言葉は初めて知ったけれど、優しげな花姿からは想像もつかない意味があったんだなあ。

【このシリーズの感想】
 『図書館戦争』
 『図書館内乱』

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2007.06.19 Tuesday * 22:48 | 国内その他 | comments(4) | trackbacks(6)
* 「あさましきもの」太宰治
 こんな話を聞いた。

 そんな言葉で始まる3つの、弱くあさましき人の世の姿。
 短いエピソードが列記された短編。
 今日は桜桃忌ということで、太宰治。

 恋人とした断酒の約束を破って酒を飲んでしまう男の話。
 女がその気になっているのを知りながら焦らす男の話。
 ある微妙な罪名で牢へ入れられたが出牢できた男の話。

 一番印象に残ったのは、恋人とした断酒の約束を破った男の話。約束を破ってしまったことを謝りに行った男を、彼女は笑って取り合わない。
「誓ったのだもの。飲むわけないわ」
 男は後になってあんなにせつなかったことはなかったと述懐するのだけれど、それはどっちの意味でだろう。娘が一途に自分を信じていることを前提としたせつなさなのか、娘は本当は自分が約束を破ったことをわかっていてそれでも不問に付したという前提でせつないのか。
 てんから疑ってくれなかった、と言っているので前者なのかな。だとしたら女心がわかってなーい! こんな風に謝りに来られたら、知らんふりして取り合わないほかないじゃないか。まだ好きで別れたくない相手だったら。
 男は正直に話して許してもらおうって甘い考えかもしれないけれど、「君に賭けて誓う」とか「君のためにやめるよ」とか言われたことをあっさり破った相手に、「あらあらいいのよ」なんて言えるわけがない。別れを切り出されても仕方ないくらいだ。だって、他でもない「彼女のため」にその約束をしたはずなんだから。それを反古にされたってことは、それだけ彼女のことを軽く見ていると思ってしかるべき。別れるか、知らんふりして取り合わないで付き合い続けるか、ふたつにひとつ。それで彼女は男を信じているふりをしたのだから、その人とは別れたくなかったんだろうなあ。
 浮気なんかもそうだけど、嘘は突き通せ。シラはきり通せ。知ってしまったらこっちはそれに見合った報復、乃至は決断をしなくちゃならないんだからと私なんかは思う。この場合、男は約束を破ったことをわざわざ知らせになんかこないほうが良かった。自分で自分をきっちり叱咤し、二度と同じことをしないでいてくれればよかったのだ。それが出来ない男だからこんな風に謝りに行ったんだろうけど、それって男の自己満足だよなあ。

 本ブログ 読書日記
評価:
太宰 治
筑摩書房
¥ 5,880
(1998-06)
2007.06.19 Tuesday * 21:26 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『三四郎はそれから門を出た』三浦しをん
評価:
三浦 しをん
ポプラ社
¥ 1,680
(2006-07)
 私にとっちゃあ、読書はもはや「趣味」なんて次元で語れるもんじゃないんだ。持てる時間と金の大半を注ぎ込んで挑む、「おまえ(本)と俺との愛の一本勝負」なんだよ!(本文より)

 「趣味は読書」なんて生温いことが言えないほど、起きて読んで食べて読んで寝る前にまた読んで……な活字中毒者のしをんさん。読むものがないときはチラシを読む、という彼女と共感する読書人は多いのではないでしょうか。私もチラシとか読むなあ。電車に乗っても本読むし、途中で読み終えてしまうという恐怖の事態に備えてもう一冊バッグに忍ばせていたりもします。それでも中吊りや窓に貼ってあるポスター読んだり。お風呂に入ってもシャンプーやボディソープの成分書き読むわ。

 そんな人たちって、他人が読んでいる本にも興味を示しますよね。電車の中で、隣に座った人が読んでいる文庫本のタイトルが知りたいって思ったことも一度や二度ではありません。しをんさんはそのタイトルを推理したり、辻占のお告げのごとく車内で他人が読んでいた本を自分も買って読んでみたりします。そんな様子が面白く書かれていて、「本好きってそういうとこあるよね〜」とか、「今度私もやってみようかな」なんて思っちゃう。しをんさんの紹介文ってどれも興味を惹かれるので、この本を読んでいるうちにどんどん読みたい本リストが増えました。

 中井英夫好きとしては、しをんさんが『虚無への供物』の舞台となっている目白を散策するエピソード(「氷沼邸のほうへ」)が印象的。私も歩いてみたいなあ。目白、目黒、目赤、目黄……これらの不動尊巡りとか。
 それにしても、しをんさんのエッセイを読むといつの間にか弟さんのファンになって、ついつい弟さんネタを優先して読んでしまう(笑)

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2007.06.18 Monday * 22:41 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『のだめカンタービレ #18』二ノ宮知子
 音楽に没頭するため、千秋がアパルトマンを出ることを決意。のだめもサロン・コンサートが決まり猛特訓をはじめます。千秋が引越しすることを知ったのだめはショックを受けますが、それで二人の仲が壊れることはなく、住処は離れても関係は今までのまま。しかし、孫Ruiが千秋にときめいたりして三角関係に発展しそうな予感。

 今までも窺わせていた千秋の精神的な弱さや優柔不断さが、今後の展開に影響を与えそうな、なんだかもやもやと遠くに立ち込め始めた暗雲を感じさせますね。ヴィエラ先生と偶然再会して、のだめとの約束よりもヴィエラ先生をとってしまうところとか。千秋は実の父雅之に与えられなかった父性を、ヴィエラ先生に求めているのかな。無意識だろうけど。長田が千秋を評して「雅之に似ている」と言ったのが気になります。それは性格や外見ではなく、弱さを指しているような。なにかあったら「逃げ」の姿勢を見せるところとか、確かに似てる。雅之は家庭を放り投げてしまい、千秋はのだめをほったらかしにしてしまう。

 のだめは成長しましたね。ピアニストとしての意識が出てきた。千秋が来ないことでリサイタルがぐだぐだになってしまうこともなく、最後までちゃんと弾き通したし。でも来てくれなかった千秋に対しては、胸に小さなしこりが出来たかも。千秋ママの言うとおり、千秋はのだめをちゃんと掴んでいないと危機になっちゃいますよ。
 荒れて欲しくないけど、荒れそうな予感。次がどうなるのか気になります。

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2007.06.17 Sunday * 17:37 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(2)
* 『はじめての甲子園 1』火村正紀
評価:
火村 正紀
スクウェア・エニックス
¥ 410
(2006-11-22)
 「野球マンガ史上、もっとも甲子園に行けなそうな野球部」の話。監督は犬!、コーチも犬!、マネージャーは美少女フィギュア、顧問はオタク(漫画家志望)、公式戦に出られないエース……『はじめての甲子園』略して「はじっこ」。気がつくとなぜか買ってしまっているマンガ。

 物語の舞台はとある高校。ド田舎にあり、なんと生徒が一名しかいません。その貴重な生徒の名前はニ屋球人(にや・きゅうと)。たったひとりの学生数では大好きな野球ができないと、二屋は転校を考えます。それを止めるために校長は野球特待生制度を導入。名づけて「甲子園に行って学校を宣伝しちゃおう」作戦。
 「おお振り」とはうって変わって、こちらはほとんど野球シーンのない野球マンガ。個性的なキャラクターが闊歩して、それぞれがおバカなことをしまくります。キャラがツッコミとボケとにも分かれておらず、みんな入り乱れててんでにおバカなことをしているという、明るいギャグマンガ。私はどちらかというと凝って作りこんだ濃いギャグとか、「絶望先生」みたいなブラックで元ネタ探しを楽しむようなものが好きなんですが、不思議とこのおバカギャグをぼ〜っと眺めちゃうんですよね。う〜ん、なんでだろ。作風に素直な感じがするからでしょうか。イヤミがない。
 たま〜に野球や甲子園にかける情熱がちらっと覗くシーンも出てくるんですよ。ギャグ9割マジ1割ぐらいの按排で。そうすると単なるおバカマンガじゃなく、もうひとつの(というか本来それが本筋であるはず)めざせ甲子園物語としてのストーリーが気になってきます。二巻に入ると、野球の名門校から転校してくる雨四光柳(あめしこう・やなぎ)というキャラが加わって、更に野球マンガっぽくなってきます。とはいえ、彼は交通事故により野球のできない体なわけで、一気に野球部が強くなるわけじゃありません。そもそも部員がまだまだ足りない。
 今はまだ海のものとも山のものともつかない印象。これからの展開次第では化けてくれるかな〜と思って見ています。

 現在二巻まで刊行。二巻の画像が出ないので一巻の画像を使いました。

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2007.06.17 Sunday * 17:09 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)

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