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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
「お、俺が、俺が何をしたって言うのです」
黒川はコサクのほうを振り返ると、鬼のような顔で吐き捨てるようにつぶやいた。
「犯罪とパイナップルの載ったハンバーグの次に許せないことです」(本文より)
「うさぎは不吉じゃ。それも、片耳となればもういけない。お屋敷に、けっして入れてはいけないよ。入れれば人が殺される。(後略)」 (本文より)
「なにを。正義感ってのは、誰かに迷惑をかけるものだ。だけど、だからこそ、それでも、常に正しいのだよ」 (第三章「奇妙な旅人」より)
――入ったっ。でも――
グローブから出している暇はない。ゴロの打球だ。一塁ランナーは、早くも二塁に迫っている。同時に、ベースに駆け寄る楓の姿が目に入った。
――どうせ駄目なら。
そう、考えたというより、節子はただ、憧れの人に、一瞬でも早く白球を渡したかった。必死の思いをこめて、ショート側に駆け過ぎながら、グローブを振った。
(「1950年のバックトス」より)
「小説は天帝に捧げる果物 一行でも腐っていてはならない」
(中井英夫、最晩年の走り書きより)
「世界の“悪意”のすべてを一身に引き受けたような、そんな探偵小説を書くんだよ」
(綾辻行人エッセイ「あの呪文のような言葉」より)
完全に硬直するおれに、鹿はゆっくりと続けた。
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」(本文より)
安吾は風なんです。風の自由というものがある。どこにでもいけるし、どんなものにでもなれる。(中上健次「坂口安吾・南からの光」より)