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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『幻竜苑事件』太田忠司
評価:
太田 忠司
東京創元社
¥ 714
(2009-08-30)

「(略)犯罪とはたいていの場合、おとなの醜さや悪賢さから生まれてくるものだ。それは君がまだ知らない領域かもしれない。しかし君の直観と推理力は、そうしたおとなの嫌らしさを突き抜けて、核心をつかむことができる。君が探偵になりたいと願うかぎり、君には探偵になれる力があるんだ」(「第八章 冷たく白い雨」より)

 少年探偵・狩野俊介シリーズの二作目。三月になって俊介が再び野上の探偵事務所にやってくるところから話は始まります。前作ですっかり俊介を気に入った野上は、彼を養子にとる提案を胸に俊介と会うのですが……。この野上と俊介のやりとりが、私には事件そのものよりも見所でした。野上の気持ちも俊介の気持ちもわかる。そして、それを傍で見守っている明子の気持ちもわかります。
 そんな彼らの前に謎の少女が現れ、両親を殺した犯人を捕まえてくれと依頼するのですが、それは十年前に起きた焼死事件を掘り返す作業になるのでした。前作でも思ったけれど、謎解きよりも俊介が犯人に投げかける言葉を読むのがある種のカタルシスになっている気がします。普段は物静かで賢くてとてもいい子な俊介が、その時だけ生の感情をバンと相手にぶつけているようなんですよね。それを読んでこちらはちょっぴり安心するのかもしれません。
 それにしても野上さんは鈍感だなあ。明子嬢の気持ちに気づくのはいつになることやら。

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2010.03.19 Friday * 19:19 | 国内ミステリ | comments(0) | trackbacks(0)
* 『ちはやふる(8)』末次 由紀
評価:
末次 由紀
講談社
¥ 440
(2010-03-12)

 わたしがかるたを好きなように
 かるたもわたしを好きなんや

 名人とクイーンに挑戦する権利を争う名人位・クイーン位挑戦者決定戦。今回筆を割かれていたのは、元クイーンの山本由美さんの話。競技かるたをする人はサッカーや野球に比べたら少ないかもしれないけれど、十人いたら十人十色、百人いたら百人百色の個性があるのが当たり前。ちはやのように耳が良くて早く取れる人もいれば、山本さんのように粘る人もいます。心の強さがかるたにも出るということを、今回ちはやは学んだようでした。
 それにしてもクイーンの変わりっぷりにびっくり。あんなに美人さんだったのに……。容姿に無頓着なところもいいけれど、アイスはほどほどに(笑) 彼女の幼少時代のエピソードは印象的でした。かるたに愛されているのですね、クイーンは。
 それと気になるのは、今後のかなちゃんの動向です。かなちゃんは選手ではなく、読手へと進んでいくのかな。私もこの巻を読んで読手さんに惹かれました。競技かるたでは専任の読手さんがいて、試験や階級も決まっているのだとか。どんな試験があって、どういう階級分けになっているのか知りたいです。そして実際の読手さんの詠む歌を、聴いてみたいと思いました。今度、名人位・クイーン位がBSで放送されたらちゃんと見てみよう。今年放送されたやつは、録画したのにうっかり見る前に消してしまいました。失敗したなあ。

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2010.03.19 Friday * 18:19 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『はじめての甲子園 7』火村 正紀
評価:
火村 正紀
スクウェア・エニックス
¥ 450
(2009-11-21)

 お、終わってしまった……。え、うそ、最終回? なにそれ。
 というのが、一読後の感想でした。単行本派なので本誌のほうで連載終わってたの知らなかった……。うわ〜ん、好きだったのに〜。いろいろ話も進んできて、ちょこちょこ話に出てきた伏線その他もまだ全部回収されていないのに〜。面白そうな新入生も入ってさあこれから、というところで終わってしまった。終わり方は綺麗に締めてあったけど、残念です。せめて部員9人集めて、一度でいいからちゃんとした試合をしているところが見たかった。出来たら復活して欲しい。犬監督と犬コーチにもまた会いたい!
 ギャグと犬と野球を同時に楽しめる作品でした。そう、ギャグと犬と野球と犬と犬と犬と……。
 表紙カバーを外したところにある作者の近況マンガも、今まで楽しませてもらいました。

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2010.03.19 Friday * 17:44 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『執事様のお気に入り』1〜7巻 伊沢玲
 両親を亡くし、元名家の祖父母に引き取られた氷村良(ひむらりょう)は、超セレブ高校の双星館学園に通う事に。広い校内で迷った良を案内してくれたのは、タキシード姿の男子学生。彼は実力主義の執事クラス通称「Bコース」に通う神澤伯王(かんざわはくおう)だった――。
 伯王は学校では執事然としているとはいえ、実家は日本でも有数の財閥で、自分の実力だけで切り拓いていきたいという思いから執事コースに通っています。なので、執事様というよりは、王子様。一方、良はセレブ学校に通うことになったものの、元は庶民の生活をしていたので感覚は普通の女の子。引き取ってくれた祖父母も、名家とはいえ今は傾いているお家事情があります。そして彼女は将来自分が祖父母の家を建て直したいという夢を持っています。どちらもしっかりしてますね。だからでしょうか、設定の割りにあまり浮ついた印象を受けません。
 超お金持ち学校の設定はよくあるけれど、その中に執事養成クラスを併設してあるってのが面白い。そこにある「専属制度」(執事クラスの生徒が特定の生徒と専属の主従関係を結ぶ)も、奉仕する側もされる側も高校生ってところが時折垣間見られるのがいいですね。ビジネスライクなそれとはまた違って。
 今後、伯王と良がお互いに気持ちを確かめあうことが出来たとして、その先には神澤グループという大きな財閥が壁となって立ちはだかることは想像に難くありません。それをどのように乗り越えていくか、そこまで描いて欲しいですね。

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2010.03.19 Friday * 16:20 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『7月の魔法使い』田中メカ
評価:
田中 メカ
白泉社
¥ 420
(2009-01-05)

 自由をくれてありがとう 女王様
 僕はあなたの「恋人」になりに来た

 『キスよりも早く』の田中メカさんの短編集。とある高校を舞台にしていて、それぞれの話がリンクしています。一話目で当て馬キャラだったモテモテ男子が、後の話でちゃんと主人公になっているところとか、登場人物たちを捨て駒にしないところが好印象でした。
 進学クラスの女の子とスポーツクラスの男の子の話、ファンクラブまである学園のアイドルの男子学生と強面だけど本当は良い人な先生の話、女王様と下僕のような関係の幼馴染の話。
 表紙のふたりは一話目の進学クラスの女の子とスポーツクラスの男の子です。どの話も可愛くてよかったけど、お気に入りは女王様と下僕な幼馴染のお話かな。ふたりの関係が主従のようになったのが、女の子の怪我っていうところが、真っ直ぐに好きだと突き進めない障害としてワンクッションあるのがよかったです。

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2010.03.02 Tuesday * 19:28 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『キスよりも早く』1〜6巻 田中メカ
 両親を交通事故で亡くし、幼稚園児の弟・鉄兵を抱えた女子高生・梶文乃は、親戚中をたらいまわしにされているところを担任の尾白一馬に拾われます。同情はいらないとキレた文乃の「だったら結婚して養ってくれんの!?」という売り言葉に、先生の「あー、してやるよ!」という買い言葉で始まった結婚生活。ちゃんと婚姻届も出してあるようです。え、そんな簡単に結婚しちゃっていいの?という導入ですが、早くもここでタイトルの意味がわかります。
 文乃は弟を守ろうと必死で突っ張ってきたので、周囲からはケンカっぱやくてちょっと怖い子と認識されているのですが、実はすごく純粋な女の子。大切なものを失くした痛みを知っているので、誰かが困っていたりするのを見るとつい手が出てしまうのです。そういうところを尾白先生は知っていた……らしいんですが、もうちょっとそこのところを広げて説明してほしい気もします。
 尾白先生の設定もなかなかオイシイ。今は生徒に敬語を使う地味で目立たない眼鏡キャラだけど、昔は「地獄のまーくん」と恐れられていた伝説の不良。ひとたび彼の逆鱗に触れると(例えば文乃に絡んだチンピラとか)、途端に昔の顔が出てきてあっという間に悪い連中をやっつけてくれます。ヒーローの基本ですよね、普段と変身後のギャップが激しいっていうのは!
 文乃の弟・鉄兵がこれまた可愛くて可愛くて。この物語のオアシスになっています。
 そんな3人が、夫婦生活を周囲に隠して暮らしている様子が描かれているのですが、いろいろと横槍が入ったり横恋慕されたり。基本ハッピーエンドのラブラブに収まるけど、毎回騒動が絶えないラブコメ漫画です。6巻まで読んだところで、一話一話のパターンがちょっとマンネリ化してきたようにも思うけど、それでも文乃の奮闘ぶりは可愛いし、先生はカッコイイ。
 あとは先生の過去や、今は断絶している父親との関係などが今後出てくることでしょう。それが楽しみかな。途中から出てきている先生の弟が私のお気に入りです。

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2010.03.02 Tuesday * 18:34 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『オトメン(乙男)』1〜9巻 菅野文
 ドラマにもなっているので広く知られているかと思います。
 格好良くて成績も優秀、剣道などの武芸にも秀でて周囲からは男の中の男と一目置かれている高校生・正宗飛鳥。実は彼は可愛いものが大好きで、料理裁縫が趣味の乙女趣味の男の子(オトメン)だった。しかし、飛鳥が幼い頃に父親が「女になりたい」といって家を出たため、母親は飛鳥に男らしさを求め、飛鳥は本来の自分を周囲に隠して生活している。
 この飛鳥のお母さんてのが、飛鳥の父親が家を出たときにショックで倒れ、依頼そのことに触れたり、思い出したりするだけで、強いストレスを感じて倒れてしまうという、やっかいな設定なんですよね。そのため飛鳥は母親はもちろん、母親の耳に入る可能性のある学内(母親が学園の理事長なので)でも常に男らしく振舞っています。でも、これ、見ている分にはお母さん実はそんなに倒れるほどでもないんじゃ?って気がします。ちょっと飛鳥に甘えてるところもあるんじゃないかなあ。わざとやってるようにも見えるし。そこは追い追いお父さん登場とあわせて明らかになるんだろうと思います。
 オトメンとはいえ、女になりたいわけじゃなく可愛いものが好きなだけのれっきとした男の子である飛鳥が、都塚りょうという女生徒と出会い、可憐な容姿とは裏腹に男らしい内面と嗜好を持っている彼女に恋をして……というあたりを中心に話は進んでいきます。
 でもラブ要素よりも、メインテーマは「自分らしくあること」でしょう。
 都塚さんを好きになったことでありのままの自分を好きになって欲しい、本来の自分を受け入れて欲しいと思う飛鳥や、幸花ジュエルという女性名で少女漫画を描いている飛鳥の友人・橘充太、剣道において飛鳥のライバルであり実はすごいメイクアップ技術を持っている多武峰一(とうのみねはじめ)、なによりも花を愛する黒川樹虎(くろかわきとら)など登場人物たちがなにかしら人に言えない趣味や嗜好を持っています。
 そんな中で、自分をまったく隠さずに真っ直ぐ生きている都塚さんが実に男前。彼女と接することで今後飛鳥が自分らしさをどこまで出すか、どうやって母親や周囲に本来の自分を受け入れてもらうかが読みどころだと思っています。そこには当然、飛鳥の父親が大きく係わってくることだろうし。私が読んだ9巻までにもちらほら父親の影も見えてますねえ。
 個人的には、橘充太が憧れている少女漫画家の城之内ミラ先生が好きです(笑)

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2010.03.02 Tuesday * 01:32 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)

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