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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『土曜日は灰色の馬』恩田陸
評価:
恩田 陸
晶文社
¥ 1,995
(2010-08-07)

 恩田さんが映画や小説、漫画についていろいろと語っているのをまとめたエッセイ集。小説についての文章には、その作品の解説文として書かれたものもあって、ひとまとめにして読めたのはいいんだけど既読のものも多かったので、なんとなく今まで聞いてきた恩田さんのそれらに対する思いをもう一度聞かされたような感じ。それが良いか悪いかではなく、再度「ああ、やはりそういうのがお好きなのですね」と確認したような読書でした。
 読んでいて「うんうん。そうそう」と頷いてしまったのは、物語には「おはなしの神様」というのが居て、その神様の宿っている作品はどんなに粗が目立とうがツッコミどころがあろうが、有無を言わせぬ物語の力でこちらをぐいぐい連れて行ってくれるという話。ほんと、そういう作品たまにありますよね。それに出会いたくて本を読んだり映画を見たりしてるようなもんです。
 それと、三島由紀夫の作品やミステリはケレンと様式美を楽しむのだ、という話。これも大いに同意しながら読みました。名探偵は皆を集めて「さて…」と言ってほしい。三島由紀夫には絢爛たる美々しい文章で酔わせてほしい。歌舞伎で見得を切るように。読んでいるこちらはいつだって「よっ!」と気持ちよく掛け声をかけたいのです。
 それにしても、恩田さんは相変わらず印象的なタイトルをつけますね。

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2010.09.21 Tuesday * 16:56 | 恩田陸 | comments(0) | trackbacks(1)
* 『アガサ・クリスティを訪ねる旅―鉄道とバスで回る英国ミステリの舞台』平井杏子
 イングランド南西部に広がる、アガサ・クリスティのミステリ・ワールドをめぐってみたい。それも、エルキュール・ポワロやミス・マープルや、そのほかの登場人物たちがそうしたように、列車やバス、ときには小船やタクシーを乗り継いで。(「あとがき」より)

 今年はアガサ・クリスティ生誕120年ということで、BSでもクリスティ特集組まれていますし、関連書籍も上半期に何冊か出ていましたね。この本も奥付を見ると今年三月発行です。
 冒頭に引用したように、私も好きな作家や作品があるとその舞台になった場所に行ってみたいと思います。英国だったら、クリスティ関連かホームズ関連かで悩みますね。英国全体をまわるならクリスティ関連かなあ。
 というわけで、この本であります。ロンドンのパディントン駅に始まって、アガサ・クリスティの作品に登場した各地を鉄道とバスを乗り継いでまわっている旅行記であり、ガイド本です。著者が撮影したと思われる写真がたくさん載っているのですが、どれも奇麗に撮れていて人にアルバムを見せてもらいながら旅行の話を聞いているような感じがします。

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2010.09.14 Tuesday * 18:28 | 海外その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『アーサー王伝説の起源―スキタイからキャメロットへ』C・スコット・リトルトン、リンダ・A・マルカー(著)、辺見葉子、吉田瑞穂(翻訳)
 先日2004年の映画『キング・アーサー』を見まして。それがいわゆる剣と魔法のアーサー王伝説ではなく、アーサー王伝説のモデルになった人物を描いた歴史映画で、今までのアーサー王ものとは違って面白かったので伝説の起源を知りたくなり手に取りました。
 ケルト神話からきているとされていたアーサー王伝説が、スキタイ起源であるという主張は分かりました。ただ、なにしろ専門書なものでその説を面白いなあとは思うものの、見極める知識はないので頭の中であれこれ考えながら読むのではなく、ひたすら「へえ〜、へえ〜」と読み流す感じでした。イギリスやアーサー王伝説に詳しい人から見たらツッコミどころが多いのかな。それすら私には分かりません(笑)
 日本でいう卑弥呼伝説の新説みたいな感じですかね。

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2010.09.10 Friday * 18:49 | 海外その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『伯爵と妖精 あいつは優雅な大悪党』谷瑞恵
 最近、英国ブームが私の中で巻き起こっているので「英国」「ヴィクトリア朝」「伯爵」「妖精」というキーワードに惹かれて手に取りました。長いシリーズだから知ってはいたけれど、実際に読んだことはなかったんですよね。
 主軸のストーリーは、妖精が見えるためにフェアリー・ドクター(妖精博士)を生業としているリディアと、この巻で伯爵となる謎の美青年エドガーのラブストーリーでしょうか。これが始まりの巻だからか、それほど恋愛メインという感じはしませんでした。これからどんどん互いに惹かれあっていくだろうことは想像に難くありませんが。それよりも妖精についての説明と、当時のイギリスについての描写についつい気が向いてしまって。
 今のところ、フェアリー・ドクターとしてのリディアの交渉術は決して上手いものではないし、彼女だから妖精たちと渡り合えるという特別な何かも見えてこないので、全体の印象としては弱いかな。これからって感じなのでシリーズを読み進めていこうと思います。

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2010.09.09 Thursday * 17:33 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0)
* 『ふたりの距離の概算』米澤穂信
評価:
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,470
(2010-06-26)

 古典部シリーズの最新刊。
 ホータローたちの下に新入部員・大日向が入ってきた。しかし彼女は仮入部期間終了と共に古典部をやめると言い、ホータローはマラソン大会の最中にこの数ヶ月の古典部を振り返って、大日向が辞めようとしている理由を推理するのだが……という話。
 省エネ主義のホータローがマラソンをしているのも面白いですが、走りながら推理をするというのもちょっと変わっていました。前作の終わり方が終わり方だったんで、タイトルを見たときはホータローと千反田のふたりのことが描かれているのかと思っていました。ちょこっとは触れられていましたね、このふたりのことも。タイトルは何組かのふたりを当てはめることができました。今回の話のメインである大日向ともうひとりについては、ほろ苦い。飄々としているようで、いつも最後にちくっと痛みや苦味が残るのが古典部シリーズの魅力ですな。一歩人から引いたところにいるホータローが、千反田のことを理屈からでなく人柄から信じたのは大きな変化かもしれませんね。

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2010.09.08 Wednesday * 17:01 | 米澤穂信 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『夜行観覧車』湊かなえ
評価:
湊 かなえ
双葉社
¥ 1,575
(2010-06-02)

 結構早いペースで新刊が出ている湊さんの最新刊。
 読了後、『夜行観覧車』というタイトルの意味するところを考えていました。この話に出てくるいくつかの家族達それぞれ個人が見えている景色は立場によって違うけれど、家族という箱に一緒に入って夜の闇の中をぐるぐると回っている観覧車のよう。どこか遠くに明かりが見えればいいけれど、それに気づかないままぐるぐると回り続けるのかもしれません。あるいは乗り合わせたことそのものについて考え、何かを吹っ切るか。
 物語は、とある高級住宅地で起こった殺人事件に関係する人々の群像劇。章ごとに視点が代わります。殺人を犯してしまった加害者と被害者は蚊帳の外で、彼らの家族、親戚、近隣住民らそれぞれの心情が赤裸々に描写されています。相変わらずのイヤミスだなあと思って読んでいたら、ふっと救いのようなものが見えてきて戸惑い、しかしそれすらも最後に皮肉に仕上げてくるあたりがこの作者らしいと思いました。

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2010.09.07 Tuesday * 17:12 | 国内ミステリ | comments(0) | trackbacks(1)
* 『日本近代建築大全<東日本篇>』
 北海道から静岡までの東日本に残る近代建築を紹介した本。写真と解説、そしてそこへ行くための交通手段や入館料などの詳細情報も載っています。これらの建築物が建てられた当時のエピソードもあって読み応えは充分。
知られざる名建築があなたの近所にも!?東日本(北海道~山梨、静岡まで)に遺された近代建築567を紹介。地域ごとの ステンドグラスに鳩の意匠が凝らされた鳩山会館、広いバルコニーが海外別荘地のような岩崎邸などなど、どれもこれも素晴らしい建築物の数々。眺めているだけで楽しいです。洋館も日本家屋も、充分な空間がとってあるのはそれだけで贅沢ですね。見ていると実際にその建物を生で見に出かけたくなりますよ。

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2010.09.02 Thursday * 16:53 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)

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