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2011.01.19 Wednesday * | - | - | -
* 『花散らしの雨 みをつくし料理帖』高田 郁
評価:
高田 郁
角川春樹事務所
¥ 600
(2009-10)

「良いか、太一。忘れるんじゃねぇぞ。ご寮さんと澪ちゃん、あのふたりがおっ母に……俺たちにしてくれたことを、決して忘れるんじゃねぇぞ」
 伊佐三はそのまま両手をついて、地面に額を擦りつけた。(「一粒符――なめらか葛饅頭」より)

 お店が神田から九段下へと移って客層も少しかわり、それに応じて好まれる料理・敬遠される料理が出てきたのが、同じ江戸の町の中でも地域によって変わるのかと面白く読みました。以前はほぼ職人ばかりだったのが、九段下では武家屋敷も多いので町人と武士が約半々。町人は気にしなくても武士は口にしない(口に出来ない)物ってあるんですね。ほろにが蕗ご飯、こぼれ梅、なめらか葛饅頭、忍び瓜などなど、また美味しそうな料理がいっぱい。料理の他に今回は調味料の白味醂に強く惹かれました。それと、味醂粕を「こぼれ梅」と呼ぶのは風流でいいですね。
 新しい登場人物も出てきました。諸々の事情で手が足りなくなった「つる家」に口入れ屋の紹介でやってきた、ふきという名の少女。くるくるとよく働き人柄も良さそうだけど、ちょっとワケありで「つる家」にまた一騒動起こります。でもいい娘! 同じ口入れ屋の実の母親である、りう婆さんもまたこれがいい人だし仕事は出来るしで、素敵。こういうおばあさんになりたいなあ。
 澪のほのかな恋心が今後どうなるのか気になりますが、今回一番ページをめくる手が止まらなかったのは、麻疹の話。澪やご寮さんをいつも助けてくれているおりょうさんと伊佐三の息子・太一が麻疹に罹ってしまう話なんですが、もう途中で本を置くことが出来ませんでした。命を落とすほどの大病ですものね。上に引用した場面では泣いてしまいましたよ。で、ちゃんとここにちらっと出てきたことが、次の話に繋がるんですよね。小松原よりも源斉よりも、密かに伊佐三がお気に入りです。職人さんて好きだー。

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2010.01.23 Saturday * 18:31 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『八朔の雪―みをつくし料理帖』高田 郁
「せっかくの深川牡蠣を」
 押し殺した声が震えている。
 間仕切りから様子をうかがっていた澪は、客の怒りの激しさを読み取って、丸い肩をぎゅっと竦めた。(「狐のご祝儀――ぴりから鰹田麩」より)

 時代小説の楽しみのひとつに、美味しそうな料理の描写を挙げる人は多いでしょう。今よりずっと食材は少ないはずなのに、そこには四季を感じさせる物がたくさん出てきて、思わず「和食っていいなあ」と感じ入ってしまうこともあるでしょう。そんなわけで、この本にも美味しそうな料理が次から次へと出てきます。なんたって料理屋が舞台で主人公は料理人ですから。
 上方の一流料理店「天満一兆庵」に雇われていた澪は、火事で焼け出された旦那様とご寮さん(女将さんのこと)と共に若旦那を頼って江戸へ出てきたものの、若旦那はとうに店を人に譲り渡して行方知れずになっていました。方々手を尽くしたけれど若旦那は見つからず、失意のうちに旦那様は落命し、残ったご寮さんを母とも慕ってふたりで長屋暮らしをしています。そして、蕎麦屋の主人・種市と知り合いその店で働くようになり――。
 ぴりから鰹田麩、ひんやり心太、とろとろ茶碗蒸し、ほっこり酒粕汁などなど、出てくる料理が美味しそうなことと、物語全体に漂う人々のあったかさに思わずぐっとくる人情話が魅力的です。澪には辛いことや苦しいことが続くのですが、そのたびに何度も打ちひしがれそうになりながら、なんとか乗り越えていく強さも持ち合わせていて応援したくなります。主人公が上方出身なのに舞台が江戸であることで、折に触れては主人公が戸惑う東西の食文化の違いや風習の違いも、面白く読みました。関西では酉の市で熊手買わないのか、などなど。
 澪がほのかに慕っている浪人の小野寺や、澪の生き別れの幼馴染、澪を雇ってくれている種市の娘の亡くなり方、若旦那の行方など、気になる事柄はたくさんあるので、シリーズが進むにつれて追い追い分かってくるのを楽しみにするとします。

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2010.01.22 Friday * 19:19 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(1)
* 『図説 地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀』坂本 勝
 中学時代、日本の古典が好きで「記紀」も図書館の分厚い本を一所懸命に読んだ記憶があります。上段には原文が、下段にはその訳文が載っている本でした。訳文がまた硬い文章で分かりにくいんだ、これが。それでも頑張って読み通しはしたものの、全体の流れよりも有名な個々のエピソードしか覚えていません。なので、きちんと順序立てて理解したいと思って読んでみました。『古事記』と『日本書紀』の記述の違いや、採択されたエピソードの違いも把握したかったし。
 で、本書ですが、大きく古事記の章と日本書紀の章に分かれていて、ようやく古事記の流れを一通り読んだと思ったら、またそれと重複する日本書紀の話になるので、一本の時系列で古事記日本書紀それぞれの記述の違いを、同じページ内に並べて書いてもらえると嬉しいなあ思いながら読みました。でも、それだと記紀それぞれの流れというか系統の話が分断されちゃうのかな。「記」も「紀」も充分語るには、それぞれ一冊ずつ本にしてもいいくらいのものですものね。
 ひとつずつ流れに沿って解説し、尚且つ似ているからといって「記紀」を混同しないよう、読み手に些細な違いやそこから読み取れる当時の政治的背景にも言及するのは至難の業でしょう。そういう点では、「記紀」関連書籍の中ではわかりやすくまとまっていて、ページ数も出来うる限り抑えてあります。イザナギ・イザナミの国造りから始まって、ヤマトタケルや大国主神と因幡の白兎、出雲の国譲りなどなど、有名どころはほとんど押さえてあるので「記紀」の入門書として、また日本神話のハンドブックとしてもちょうど良いと思います。

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2010.01.19 Tuesday * 17:55 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『手編みの円座・角座―かわいいおざぶ』
 編み物――それは読書の大敵です。なぜなら黙々と編み続け編み続け、気がついたらあっという間に時間が経ち、肩こりと目の疲れが残っている、読書をしたときと同じような状態になるからです。肩凝ってるし目も疲れてるし、そこから本を読もうという気にはなれません。お陰で読書時間が激減します。それでも、こうして可愛いモチーフや仕上がりを見せられると自分でも編みたくなっちゃうんですよねえ。
 ぱらぱらっと捲ったら、バラの花をいくつも繋ぎ合わせたような白とグレイッシュピンクの角座に出合い、そのまま購入しました。こんな風に作りた〜い。セーターや帽子だとサイズや好みがあるけど、おざぶなら人に作ってもそれほど抵抗なくもらってもらえそう。モチーフや繋ぎ方を覚えれば、あとは自分なりにアレンジしてバッグやベッドカバー、ソファカバーなんかにもできますしね。

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2010.01.14 Thursday * 21:14 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『ふだん着物わくわくアイデア帖』きくち いま
評価:
きくち いま
河出書房新社
¥ 1,470
(2008-11-14)

 きものを普段着として楽しむためのヒントがいろいろ載っていました。今はどうしても着物は一段高いところにあるイメージがあって、なかなか気軽に着ることができないんですが、探せば安くて洗濯機でも洗える物もあるし、ちょっと着てみようかなという気になりました。その前にまず着付けだな。
 季節に合わせた色柄や素材のお約束があるにしても、その日その時の気候や気分でちょっと自分流にアレンジするのもいいんじゃない?と著者は書いています。本来着物ってこんな風に楽しんで着る物なんでしょうね。柄物の手拭いを半襟にするとか、どれくらい動いたら着物は着崩れるのかとか、著者が楽しそうに日々着物を着ている様子が伝わってきます。その中に人から言われて傷ついた言葉にもちらっと触れられていて、もともと日本人なら誰もが着ていた物なのに、今となってはそれがマイノリティとしていろいろ言われることもあることに驚きました。

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2010.01.13 Wednesday * 21:39 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『Globes―地球儀の世界―宇宙から見た地球を体感する』高井 ジロル
 小さい頃、私の家にも地球儀がありました。球の部分はオーソドックスなタイプで、下の台のところが白い大理石みたいなもので出来ていて獅子の形をしていました。くるくる回して「世界一周!」とか言って遊んだなあ。いつの間にか無くなってしまったけど、あれどうしたんだろうなあ。引越しをしたのでその時に処分されたのかもしれません。なにしろ記憶にあるその地球儀は既に古いものだったので。もしまだあったら現在の世界情勢と見比べると面白かっただろうなと思います。ソ連も東西ドイツも、今はもう違いますもんね。いろんなところがかわってるだろうな。

 というわけで、こちらは世界中に数多ある地球儀を集めた本。表紙にある「夜の地球儀」が素敵。光が多く灯る場所は人口が多いところになるそうです。月球儀や火星儀もあり。さらには温暖化の様子がわかる「赤い地球儀」などもあって、興味深い。平面で見るよりもこうして球で見ると、地球が1個の星であることを実感していいですね。昔の地球儀の中では「ファルコ地球儀」のデザインが好みでした。部屋に飾っておきたいくらい。
 読んでいると地球儀が欲しくなってきます。今でも入学祝いなどで地球儀を贈ったり贈られたりってあるのかな。Amazonでちょっと地球儀を検索してみました。

 やっぱり「夜の地球儀」は素敵ですね。
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 喋るってすごいな。
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しゃべる地球儀 パーフェクトグローブおすすめ平均 stars小2息子が日本地図を覚えました。starsペンのアップデートできてますstars楽しく使ってますstarsペンの更新が出来ないので、単に高いだけの地球儀です。stars音声の力はすごい!Amazonで詳しく見る by G-Tools


 ここらへんはオーソドックスなタイプですね。でも、絵じゃなくて衛星写真を使っているのがリアルです。
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 好みなのはこういうの。
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 地球儀ときたら、併せて月球儀も欲しくなります。
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 さらには火星儀にも惹かれる。
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 木星も注目。
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 土星の形って子供の頃覚えやすかったなあ。
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 なんかもう、全部集めたくなってきました(笑)

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2010.01.06 Wednesday * 18:56 | 国内その他 | comments(2) | trackbacks(0)
* 「S-Fマガジン 2010年 01月号」
 祝、S-Fマガジン創刊50周年!
 ということで、記念特集号が2号続けて発行されています。今出ているのは海外編。次号出るのは国内編。記念の号なのでボリュームがいつもの倍あります。その分値段も高くなっちゃうけど、払っても損なしの内容に満足でした。ほんとはまだ全部読みきってないけど、毎晩舐めるようにちびちび読みたいと思います。新旧の作家・作品がぎゅっと詰まっていて保存版ですね、これは。今のところのお気に入りは、テッド・チャンの「息吹」。再録では「記憶屋ジョニイ」がやっぱり好きだなあ。

[特集内容]
オールスター作家競作
○「息吹」 テッド・チャン
○「クリスタルの夜」 グレッグ・イーガン
○「スカウトの名誉」 テリー・ビッスン
○「風来」 ジーン・ウルフ
○「カクタス・ダンス」 シオドア・スタージョン
○「秘教の都」 ブルース・スターリング
○「ポータルズ・ノンストップ」 コニー・ウィリス
○《ドラコ亭夜話》 ラリイ・ニーヴン
○「フューリー」 アレステア・レナルズ
○「ウィケッドの物語」 ジョン・スコルジー
○「第六ポンプ」 パオロ・バチガルピ
○「炎のミューズ」 ダン・シモンズ

名作SF再録
○「凍った旅」 フィリップ・K・ディック
○「明日も明日もその明日も」 カート・ヴォネガット
○「昔には帰れない」 R・A・ラファティ
○「いっしょに生きよう」 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
○「記憶屋ジョニイ」 ウィリアム・ギブスン

記念エッセイ 柴野拓美/伊藤典夫/高橋良平

SFマガジン年表 PART・1〈創刊号〜1985年〉

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2009.12.02 Wednesday * 22:02 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『こりずに 柴犬さんのツボ』影山直美
 寝る犬の
 しっぽが動いて
 臭くなり

 柴犬マニアの著者が漫画と川柳で描いた柴犬との日々。
 犬にも各々性格があって甘えっ子だったり、とぼけた子だったりするのが可愛くて面白いです。他の犬達が喧嘩しているときには知らんぷりしていて、終わったとたんに満面の笑みで「なにかありました?」って駆け寄ってくるのとか笑ったなあ。1センチくらいのコロンとしたうんちを点々とするわんこと、「もうちょっとまとめてやってくれませんかね」と思いながら拾っていく飼い主さんとか、日常的な犬との出来事が描いてあります。
 犬好き、柴犬好きは特に楽しめるんじゃないかな。

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2009.11.19 Thursday * 18:11 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『おとなのねこまんま あったかごはんを極うまに食べる136』ねこまんま地位向上委員会:編
 ねこまんま好きなので読んでみました。どれも美味しそう。かつぶし系、バター系、みそ汁系、缶づめ系、瓶づめ系、たまご系、揚げ玉系、スープ系、調味料・薬味系、残り物系、ジャンク系、お惣菜系、ヘルシー系、豆腐系など。シンプルなだけになにかひとつ加えるだけでどんどんバリエーションが出ますね。意外と奥の深い食べ物なんじゃないかな、ねこまんまって。

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2009.10.22 Thursday * 02:01 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)
* 『トーマの心臓』森博嗣/原作:萩尾望都
評価:
森博嗣/萩尾望都(原作)
メディアファクトリー
¥ 1,575
(2009-07-29)

「私は、君よりは倍も長く生きている。だから、一つだけ、先人のアドバイスだと思って聞いてほしい。いいかい? 救うなんてことは考えない。そんなのは綺麗事だ。綺麗な言葉で自分を誤魔化しちゃいけない。君は知りたいだけだ。そして、もし知れば、今度は君が苦しむことになるだろう。(略)」(本分より)

 萩尾望都女史の漫画『トーマの心臓』を、森博嗣氏が文章化した森版『トーマの心臓』。ノベライズというには、少し原作の漫画とは受ける印象が違いました。
 なぜ舞台を日本にしたんでしょう。それなら登場人物たちの名前もすべて和名にしてしまえばよかったのに。ユーリやトーマの内面に切り込んでいるわけではなく、すべてはオスカーの目を通して語られているので、事件の真相もどこか薄いベールがかかっているようです。全体的にうすぼんやりとした輪郭しか見えてこない。この本を読んだだけでは、トーマが死んだ理由がわからないと思います。少なくとも私はわかりませんでした。ユーリを巡る出来事は想像できても。
 そのかわり、オスカーに関することは実に繊細に描かれていました。森氏の持つ無機質とも思える硬質な文章が、全寮制の学び舎に集う思春期の少年達の様子を、どこかフィルムの中の出来事のように思わせます。あとは、原作にどれだけ思い入れがあるかで感想はかわるんじゃないかな。

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2009.10.06 Tuesday * 19:15 | 国内その他 | comments(0) | trackbacks(0)

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